枯淡 / Kotan

「閑寂枯淡」、華美でないことの美しさ。
静寂な趣と、枯れるような味わい深さ。

 

 冒頭の一文は、かの有名な北大路魯山人の言葉です。
では、器が料理の着物であるのなら、それは華やかなものが良いのだろうか、はたまた高価なものが良いのだろうか。
いや、きっと「合っている」ことが大切なのではないでしょうか。
調和がとれているということはやはり何においても重要で、調和の話になれば、
料理と器のことだけでなく、この「とうと碗」では上絵の話が出てきます。
hakuには銀線、suiには金線をそっとひと手間、上絵付けを施しております。
マットで上品な光沢を表現する為、妥協のない本銀・純金を使用しています。
たった二本の線ですが、たった一ミリにもこだわり抜いた職人の魂の仕事です。
それは全て、調和のとれた美しさのため。
料理の着物にふさわしい、風格ある佇まいをしております。
それにしても蓋物とは大変贅沢なものです。食す際には蓋を取ってしまうのですから。
まさにこれは、美と食を楽しむ極致のような気もします。
カジュアルにもお楽しみ頂けるように上絵を施していないものもご用意しております。
まずは蓋物の魅力を感じて頂けたらと願っています。