玄 / Gen

不揃いなのも心地よい

 

「墨貫入」という古来の伝統技法を今に伝える古くて新しい器、“玄(Gen)”シリーズ。

少々難しい話になりますが、
貫入というのは、やきものの焼成後の冷却時に生地と釉の収縮率の違いから、ひび割れのような細やかな溝ができることをいいます。
意図的にこのような貫入が生じる釉薬を用い、
この細やかな溝に墨汁を染み込ませることでその特殊で繊細な模様を浮かび上がらせる。
その技法を、墨汁を用いることから「墨貫入」といいます。

説明の通り、手間も時間も非常にかかる仕事ですので、この技法を用いることのできる窯元は現在ほとんどいません。

そんな貴重な窯元と共に、この古来の技法を現代のモダンな形状と味わい深い色味にリバイバルしたのが、こちらの“玄(Gen)”シリーズ。。

作家もの寄りの器ですので、正直個体差も大きいですし、土物の特性上表情も荒々しく、磁器の器に比べ耐久性も低いです。
でもだからこそ、この不器用さが逆に心地良かったりもします。

現代的なライフスタイルの中で、たまにはこんな民芸的なデザインを取り入れてみるのもおもしろいかもしれません。